東京というと高層ビルが立ち並ぶ光景を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、

実は航空写真で見ると意外と緑が多く、その中には明治以降に建てられた重厚な洋風建築が数多くあるのです。

私は昔から「洋館」が大好きでテレビで紹介されたり、ドラマのロケで使われていたりすると、どうしても行ってみたい衝動に駆られてしまうのです。

 

数ある洋館の中でNo.1とお薦めしたいのが駒場にある旧前田侯爵邸です。

井の頭線の東大駒場前駅から住宅街を10分弱歩くと高台に鬱蒼とした木立が見えてきます。

こちらは前田家16代当主の前田利為氏とご家族の住居だった館で、昭和初期に建てられ、2018年にリニューアルオープンされました。

和館と洋館の両方見学できますが、見ごたえのあるのは洋館の方です。

数々の調度品やそこかしこに施された装飾に思わずため息が出ます。

家族各々の部屋があり奥様の居室の内装が可愛らしいピンク色なのが印象的でした。

ダイニングルーム、書斎、子ども部屋と、当時の暮らしぶりを想像するだけで心がときめいてしまいます。

洋館前の芝生は駒場公園の一部として開放されていて、かつてはここで乗馬やゴルフもされていたそうです。

古く立派な石の灯篭や巨木にゆったりとした時の流れを感じます。

洋館の入り口には段差がありますが、中にはエレベーターもあるので少しお手伝いをお願いすれば車椅子でも見学可能です。

 

この文章が皆様のお目にとまる頃は暖かく花の美しい季節になっているでしょう。

首都圏にお住いでしたら、遠くまで行かなくともここでも十分に楽しめると思います。さあ、私と一緒に90年前の世界にタイムスリップしてみませんか?

 

トラベルヘルパー大味恵子